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CAV支援先スタイラー代表 小関が語る〜スタートアップのスピードを上げる重要な3つの要素とは〜

10/22/2015

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今回はサイバーエージェント・ベンチャーズ(以下CAV) Seed Generator Fund投資先のFashion Tech(ファッション × IT)スタートアップ、スタイラー株式会社に関して、CEOの小関翼さんにインタビューをしてきました!
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・まず、サービスについてお聞かせください。
STYLERは、WEBやアプリ上で、ユーザーが自分の欲しい服のイメージを投稿すると、アパレルショップの店員がその人に合った服を提案してくれる、コミュニケーションプラットフォームです。

買う側の視点に立つと、これまでは、「服を買うときになんとなくお店に行くが、イメージ通りの服を見つけるまでに時間がかかる」や、「おしゃれのお店だけど入りにくい、店員さんに声をかけづらい」という課題を感じたことがある人は多いと思います。

一方で、インターネットを使って調べても、「カジュアルすぎないセーター」や「大人でも履けるスニーカー」といった曖昧かつ感情的な検索でイメージと合ったものを見つけることは難しいです。

逆に、売る側の視点に立つと、今まで頼っていた雑誌でお客様とコミュニケーションをすることが難しくなり、「FacebookやTwitterのようなSNSでも新規顧客の開拓につなげるのは難しい」し、「お客様のいない空き時間が頻繁に発生し、この時間を集客に使いたい」といった課題がありました。

STYLERであれば、消費者は店員からの提案が気に入れば、メッセージのやり取りを開始し、実際の店舗に行ったり、ECで購入することができます。
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・店舗の方の反響や開発の方はどうですか?
毎月多くの店舗さんと提携させていただき、立ち上げて3ヶ月ですが、来月で提携店舗が100店舗以上になります。

サービス自体は、現在WEB版をリリースしていますが、
​11月にはiOSアプリをローンチする予定なので、より生活の一部としてSTYLERのサービスを楽しんでいただけると思います!

・起業の経緯は?
学生時代に呉智英や浅羽通明といった在野の知識人と交流があって、自分も知識人としてどのように生きるかを考えていました。アカデミズムに残ったり、著述業として生きるのは自分として合わないと思っていたので、ビジョンを世に打ち出せる起業家として活動しようと思っていました。誰もが感じているように、現代はスマホやインターネットの普及によって、コミュニケーションのハードルが継続的に下がっていく時代だと思います。誰でも、簡単に、安価にコミュニケーションできるようになっていて、少しの差でメディアのシフトが起こる。例えば、SMSとLINEを比べてみても、ちょっとした便利さの差で前者から後者へのシフトが起こりましたよね。STYLERのアイディアは皆が情報に携われるようになったことを前提に、今度は情報の格差がある一般の人と専門家と間に非対称SNSを導入することによって、コミュニケーションを変えることができると思いました。

・その中でもなぜファッション業界を始めたんですか?
ファッション市場は、規模が18兆円と大きいにもかかわらず、オンラインでの購買は全体の7〜8%にすぎない。オフラインがほとんどなんです。にもかかわらず、お客様は、自分のイメージ通りの服に出会えない、店員さんと情報交換がしづらいという課題を抱えています。ここにコミュニケーションの問題を抱えている人が多いことに気がつきました。

つまり、ファッション業界では正確な情報を交換するためにコミュニケーションをして、購買を決定したいというニーズが強いにもかかわらず、そのハードルが高くなってしまっているという矛盾が起きているんです。

この時に、コミュニケーションプラットフォームとしてSTYLERを導入することを考えつきました。nanapiの古川健介さんともCAVの仲介でお話したんですが、通常のコミュニティサイトだと、投稿をする側が1%で、残りの99%は閲覧するだけという問題があります。しかし、STYLERでは、コマースが背景にあり、似たようなニーズを持った他のユーザーの投稿も閲覧できるので、イメージに合った提案はどんどん購買へと繋がる可能性が高いです。そういったメディア的な機能にレバレッジを効かせるため、ユーザーの投稿や店舗からの提案をSTYLER MAGというオウンドメディアでまとめて記事にしています。ユーザーにとってもリアルなニーズに基づいた、ブランド横断のファッション情報を得ることができますし、店員にも、お客様にウェブ上で提案したものがいつの間にか記事になることを喜んでいただいています。

・なるほど。ところで、スタイラーさんって、成長のスピードが速いですよね!
ありがとうございます(笑) 引き続きがんばります!

・何名くらいで動かれてるんですか?
実は、常勤は6名で、特に多いというわけではないと思います。ですが、学生に限らずボランティアで手伝ってくれている方が30名もいて、本当に周りに助けられています。

・どんなメンバーでされているんですか?
共同創業者の岩崎祐哉とは、サービスを始めるまで面識はありませんでした。岩崎は国内でも有名なファッションのブロガーで、面識を持つ前から僕は彼のブログの読者でした(笑) スタイラーを始めようと思った時に、某グローバルブランドにもリクルーティングされたことのある彼のことが頭によぎりましたね。実際、スタートアップ界隈の中で、情報発信力がある人は多いですが、彼のようにメディアの運営する力に加えて、ファッションのリテラシーも高い人材は他にいないと思います。そこでブログに貼ってあった連絡先にいきなり連絡をして、プロジェクトに参加してもらうことになりました。

その他にも、学生・社会人のエンジニアや、ライター、国内の有名なフォトグラファー等多くの方が手伝ってくれています。詳しくはSTYLER MAGの社内インタビューをご覧ください。

・チーム作りで苦労としているスタートアップは多いと思うんですが…
本当に周りの方には感謝ですね。スタイラーの場合は、ファッションを好きな人が集まりやすかったという原因もありますが、一番の理由は、この世の中には必要なサービスであるというビジョンや想いをしっかり外に打ち出して、共感してもらえているというところだと思います。

あと、昔よりも、スタートアップは人集めがしやすくなったと思います。昔は、優秀な学生は、大企業の商社や金融、コンサルといったところに就職していたんですが、今は先行するスタートアップの成功により、優秀な人材がスタートアップにも流れてきていますよね。

特に、学生の伸び具合ってすごいなと実感します。スタートアップの武器は何と言ってもスピードだと思うんです。スタートアップ自体が非人間的な速度で成長をしているので、その中にいる学生はそれと同じスピードかもしくは、それ以上の速さで成長を求められます。すごく良い環境だと思いますね。

・スタイラーさんが事業を進める上でこだわっているポイントは何ですか?
まず、スタートアップは手段であって目的ではないので、実現したい未来の明確なビジョンを持つことだと思います。その上で、未来を達成するためのフェーズごとの各目標を分かりやすい言葉で作っています。それがなければ、優秀な仲間を集めてチームを作っていても、全体としてスピード感を持って動けないですからね。そして、チームのスピードを上げるのに重要なのは社長自身が爆速で動くことです。おそらくシリーズAくらいまでは、会社のスピード=社長のスピードだと思っています。その上で僕が意識しているのでは、「とにかくやってみる」ということですね。よく大企業では、PDCAのサイクルを回すことで次々と改善を図っていくということを言われますが、スタートアップの場合はChallenge&Learnのスピードで動いていかなければいけないと思っています。社長がそのスピード感で動いて初めてチームにレバレッジが働き、組織としてスピード感が生まれてくると考えています。
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・CAVと最初に出会ったのはいつですか?
実は、2013年の新経済サミットで、田島さんと近藤さんにお会いしたのが最初です。
​
当時は、前職のFintech(金融×IT)スタートアップでCOOとして活動していた時期でしたが、お会いした時から個人的に好印象を持ってました(笑)

ファッション業界自体が、他の業界から構造が見えにくいせいもあって、ファッションに詳しかったり、興味がある人じゃないとディスカッションが難しいという認識はありました。その中で、田島さんも近藤さんもファッションは好きというのは知っていましたし、近藤さんはCA時代に化粧品やラグジュアリーといった美容系のPRも手掛けられていたので、起業をする前に声をかけさせていただきました。

・その後CAVからのサポートはどうですか?
何と言っても、ネットワークが強いですね。ファッション業界で活躍をされている人に会う時でも、近藤さんがすぐに紹介してくれたりするので、本当に助けられています。

また、シードの段階は、なかなかKPIを回しても計画通りにいかないことも多いですし、と思うと非連続的にいきなり伸びることもありますが、そういう特性もよく理解してくれています。


ほとんどリアルタイムで情報も交換していますね。たまに、VCに状況を隠して事業を進めるところもあるんですが、この段階だと、相手を全面的に信頼して情報を開示し、ガンガンやりとりをして、スピードを上げた方がいいと思います

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・最後に今後の展望についてお聞かせください。
まずは、11月にiOSアプリをリリースします。それを皮切りに、コミュニケーションプラットフォームとして、もっと人々の生活の近いところで、このサービスの便利さを感じてもらいたいです。

また、海外のFashion Techは3、4年前から波が来ていると思いますが、日本のファッションテックはまだまだこれからだと思います。
​この領域はもっと盛り上げていくため、この領域に欠かせない人、企業になりたいですね!
STYLER MAGではいろんなFashion Techのスタートアップと対談する「Fashion Tech対談」を掲載しています。また、2016年1月にはそれらの企業とFashion Tech Summitというイベントを開催する予定です。



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プロフィール
小関 翼(こせき つばさ)
大手EC事業者のAmazonにて事業開発を担当。インターネット上で取引をされるアイテムの種類に偏りがあることをECの現場にて実感する。ネットとリアルをつなげることで、情報の非対称性からEC比率の低いライフスタイル領域で日本発のイノベーションを起こすことを目指す。2015年3月に“つながり”でファッションを楽しくするスタイラー株式会社を設立。日英のメガバンクに勤務経験あり。東京大学大学院修了。

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    北尾崇
    CyberAgent Ventures
    ジュニアアソシエイト

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